Column
コラム

1.デザインの為のスケッチ手法の変遷

車関係のデザイナーをやってきた関係で、
私が長年にわたって描いてきたのは、クライアントにプレゼンテーションする為のスケッチ、すなわちイメージスケッチ、レンダリングと呼ばれるものです。それらの絵は、デザインが優れている事は当然ながら、絵としての魅力がなければクライアントに対する訴求力が弱いのです。

同じようなレベルのデザインが二つあったとして、
絵が魅力的な方が表現力の乏しい絵よりも、高い評価を受けやすいのは想像に難くありません。この為、企業のデザイナー、またフリーのデザイナーも自分の絵の表現力に磨きをかける努力をしてきました。特にアメリカの自動車メーカーはデザインスクールとコラボレートして40年以上も前から絵の表現力の向上に努めて来たのです。その頃に登場した自動車デザイン雑誌の影響で、日本でも急速にレンダリングに対する関心が高まりました。

それまでお手本にしてきた、
お行儀良く丁寧に描かれた水彩のヨーロッパ型に対し、アメリカ流はかなり先進的、未来的に映ったのです。画材もマジックマーカーとパステル、色鉛筆といった物で、圧倒的に時間の短縮が可能でした。デザイナーは簡単にスピーディに自分のイメージを表現出来るようになったのです。

この画材の革命は、
デザイン力の向上に大いに貢献し、自動車を先頭とする工業製品は日本の驚異的な経済発展とリンクしてデザイン最重視時代を迎える事になるのです。30年以上も続いたこの画材も徐々にコンピューターを用いた方法に取って代わられる事になるのですが、その変化の歩みは意外な程遅く、現在もデジタル全盛には至っていません。ハードウェアの問題、ソフトウェアの適正、コストの問題、教育システムの問題等が原因としてあげられます。

このサイトでは、
今身近にあるデバイスを用いた場合でも、意外な程魅力的な絵が出来るという事を証明し、その手法を広めていきたいと思っています。